側根給水工法による移植樹木の樹勢維持、及び衰退木の樹勢回復

衰退木の樹勢回復 貴重な樹木を、何らかの理由で移植せざるを得ない場合には、移植時期の問題をはじめ根系の成育状況(建築物の基礎によって発育が偏っている等々)作業上の障害(構造物により適切な根鉢径がとれない、埋設管が有る等々)その他様々な困難が伴って、活着が難しい場合が多く有ります。側根給水工法は、そういった移植樹にかかるストレスを軽減し、活着を促します。

(A)一年以上の時間的な余裕の有る移植工事の場合、あらかじめ「根回し」を行うケースがある。これは、皮部と形成層とを環状に剥皮し(図1.2)、その断面にカルスを発生させ、その部位での発根を促し(図3)、移植時の根系の切り詰めに備えるという工法である。原理としては、地上部で作られた有機物質の通り道である師管が皮部にあり、根によって吸い上げられた水分や無機塩類(ミネラル)の通り道である道管が木部にある、という木本双子葉植物の根系組織構造を利用して、根系の機能を維持したまま、任意の部位に発根を促すというものである。

(B)しかし通常の移植工事では時間的余裕がないために、「根回し」が出来ない場合がほとんどである。その場合は木部も切断されるために、移植後新たに形成層から発根するまでは、水分及びミネラルが切断された根からは十分に補給され得ない状態が生じる。
図1 根の断面
根の断面
図2 環状剥皮
環状剥皮
図3 発根状況
発根状況
(C)側根給水工法は、移植後、木部に直接水分及びミネラルを補給することにより、新たに発根する根が有効に作用するまでの期間の、いわば危機的状態を軽減する工法である。(図4.5)
図4 掘取り状況
掘取り状況
  図5 植込み状況
植込み状況
〈衰退木への適用〉
根系を調査の上、腐食や病害が認められる場合、問題部分を切除した後同工法を併用することにより、樹勢回復の効果が高まる。
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